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2023年度卒

2024/06/01 2024/06/08

【ID23 佐竹 佑太】本音と建前

全部読むのがだるい人へ

結論は4点あります(志村,2022)。
・「建前」の目的はあくまで気持ちを遠回しに伝えることで、伝わらなければそれは「建前」でも何でもない。
・試合中は相手のメンタルを考えた「建前」の方が勝ちに繋がるかも。
・多くの時間共にして、価値観を共有しているICUFCに限って言えば「建前」でメッセージが伝わらないことはほとんどない。
・逆に「本音」は良い関係構築の材料になるから、結局「本音と建前」を目的別で使い分けれると良い。

日本人を象徴するような言葉の一つに「本音と建前」がある。
そして、この「建前」というものはしばしば日本人的と批判される。
しかし、私は試合中に限っては「本音」なんかよりも何倍も「建前」の方が素晴らしいものだと考えている。

さて、こう考えた理由はサッカー部で過ごした4年間にある。
この4年間、自分は試合中に一番本音をぶつけられた選手だと自負している。

「お前ふざけんなよ」(近藤,2021)
「ゴミ」(六車,2022)

1、2年目は萎縮して本音がいいプレーを妨げいたが、3、4年目になれば慣れて単なるアドバイスと受け取れるようになってきた(気分は悪すぎるけど)。

ここに「本音」の良さと悪さの両方が現れていると思う。
良さは、ストレートにメッセージが伝わりやすいことで、悪さは伝え方によって別の悪影響が出ることだ(特に自分より下の学年の人への本音は)。
紅白戦でチームで一番上手いはずのひろのチームがよく負けるのは、「本音」で下級生のメンタルを粉々にしてるからだと思ってる。


逆に「建前」の良さと悪さはなんなのだろう。

ここで改めて「建前」の定義を確認すると、本音の対義語であり、遠回しに気持ちを伝えるものだそうだ。誤解してほしくないのが「建前」は決して嘘や誤情報ではなく、遠回しに気持ちを伝える手段なのである。

これを見た時、一番に連想されたのがたけとかゆうやとかの試合中コーチングや声かけだ。
当然彼らのコーチングや声かけの目的はその人のプレーを向上させ、勝ちに繋げることであり、その点はひろ、かずまのそれと変わらない。

でもそのコーチングを受けた時の気持ちや受け入れやすさは天と地ほどの差だった。

彼らのメッセージの中には単なる改善点だけでなく相手のメンタルを気遣うための色々な要素が入っている。
確かに、ストレートな「本音」に比べれば伝わりやすさで負けているが、4年間過ごしてきてそのメッセージが伝わっていないことはほとんど見たことがないし、言われた側のメンタルは保たれているのだ。

さて、ここで「建前」の良さと悪さの話に戻ると、良さは受け取る側のメンタルや周りの雰囲気を保てることであり、悪さは文化圏が違ったりよく知らない間柄の人には伝わりづらいといったところだろう。

では、「本音と建前」のどちらが試合中に適しているか。

どちらも気持ちを伝えるという目的を果たしているという前提で言えば、当然「建前」の方が良いものになるだろう。
しかも、ほぼ同じ日本に住み、多くの時間を共にしているICUFCであれば試合中の建前が通じないこともほとんどないと思う。
メンタルが大きく影響するサッカーにおいて「建前」は重要なテクニックの一つだと考えている。

ただ、手のひらを返すようで申し訳ないが、「本音」を否定しているわけではない。逆にピッチ外の「本音」はどんどん使って欲しい。

別に多少メンタルを崩しても問題のない試合外において「本音」はより良い関係構築の材料になるからだ。
事実、あれだけ試合中にかずまにボロクソ言われようが、練習中ひろとバレーボールを始めようが、二人のことは大好きだし、一緒にいて居心地が良い関係性を築けてると思っている。


結論、目的別でうまく使い分けて欲しい。

試合中は勝つことが目的だからそれに必要なメンタルを守る「建前」を使うべきだし、逆に何でも言い合えるような関係性を作りたいのであれば「本音」を使うべきだ。

今後ICUFCがより良いチームになって、チームみんなが居て良かったと思えることを願ってます!

佐竹佑太