【ID26 谷手翔宇】理性を超えた先
まず最初に、引退ブログを執筆する機会を頂きありがとうございます。
誰も家に入れないで有名な谷手翔宇です。
唐突ですが、多分僕は26の代で退部最有力候補でした(笑)。
正直なところ、退部を考えた時は幾度かありました。
感性より理性、やりたいことよりやるべきことを優先する僕が
「サッカーをやりたい」という感情を優先できたのはICUFCだからです。
ベタですがここでは僕が思うICUFCの良さを自由放漫に自分語りを混ぜながら書かせていただきます。
「お前のサッカー歴(自分語り)なんかどうでもいいよ」っていう人は飛ばしてもらって構わないです。
軽いサッカー歴
真面目にサッカーに取り組んだのは小学校高学年の二年間だけ。
中高では放課後の娯楽としてサッカーを楽しんでいた程度。(サッカー観戦はいっぱいしてた)
そんな僕にとって大学サッカーでは楽しい瞬間より辛い瞬間のほうが圧倒的に多かった。
最初の頃、強度の高い練習では本当に口の中が血の味がした。
当時体重は60キロ以下、フィジカルの基礎ができてないから先輩にタックルを受けたときは鎖骨が折れたかと思った。
技術面でもレベルが低く、判断も遅い。
正直ついていけなかった。
でもみんなは暖かかった。
23そして24の先輩のアドバイスは今でも鮮明に覚えている。数少ない自分の強みを一緒に探してくれたり、各自が持っている秘伝の技や考え方を包み隠さず教えてくれた。
僕は技術力もフィジカルもなかったけどやっぱり活躍したかった。
隠せてるかわからないが僕は負けることがだいぶ嫌いだ。
パフォーマンスが自分の期待値に合わないことに耐えられない。
ということもあって、大学から真面目にやりだしたサッカーでも何かしら活躍したかった。
そこで僕は二年目から体作りを始めた。
足元のスキル全般を上げるより、体を強くしたほうが早く結果を出せると思ったから。ジムで筋トレを続けた結果、体重は60キロから70キロ近くまで増えた。そしてボディーコンタクトで勝てるようになってきた。この過程は決して容易ではなかった。食べる量を増やすのに最初は苦労をしたし、筋肉痛は終始絶えなかった(筋トレ民からすると幸福であることは認める)。その過程でモチベーションになったのはチームメイトの称賛の声。ICUFCではチームメイトの良い点を率直に褒める。筋肉がつき始めた頃は「ゴツくなったね」。50/50のボールに勝てたときは「ナイス」。このようにチームには称賛の声が本当に多い。そしてこの文化は本当に人を成長させると思う。みんな素直だから良いと思ったことをしっかり伝えている。
そして僕はその声やアドバイスに支えられていた。
最終的に僕は理想としていたスタメンやゲームを決めるような選手にはなれなかったけど、公式戦に少し絡めるくらいまで成長できた。正直満足はしていないが、振り返ると本心から楽しかった。
僕が考えるICUFCの強み
スポーツチームは基本メリトクラシー(能力主義)な環境である。一般論として能力が高い選手が絶対的な発言権を持ち、弱者が強い主張をすることは嫌がられる。だがICUFCは下手な僕にも包容的であった。どんなに下手でも意見を発することが可能であった。先輩、同期、後輩、みんなが耳を傾ける。
僕の口から発しても信じてくれないんじゃないかなと勝手に思ってますが。僕は能力主義は合理的だと思ってた。能力の高い人間(選手)がチームを率いてその能力を発揮することで勝ちに結びつくと考えてたから。
しかし、有元監督の関係性を重視するサッカーを見て、そして実践して、そうでもないということに気付かされた。
ゲーム理論的にもチームメイトを蹴落とすことが個人の最大の利益になる中で、みんなが持ってるものを寄せ集め、チームとして強くなるというある種のパレート最適をもとめた。これは決して当たり前ではない。一人ひとりが相手を尊重し合った結果であり、みんなが成長をもとめているから生み出された環境であるからではないかなと考えている。そしてICUFCの強みは「仲間とともに成長する文化」ではないだろうか。少なくとも僕はこの環境があったから、「やるべきこと」よりも「やりたいサッカー」を続けられたんだと思う。
後輩へ
今シーズンきつかった頃、引退ブログで老害発言をするのがモチベーションでした。
なのでさせてください。
「长风破浪会有时,直挂云帆济沧海」行路难 李白
荒波強風を突き破る時はきっと来る
帆をあげて海原を突き進め。(勝手な訳文)
サッカーでもサッカー外でも辛い時はきっと来ます。そんなときに楽しめるやつが一番強いと思う。特にずっと朝練なんか毎日が荒波ですよね。でも27や28は本当にポテンシャルが高いと思う。実際に試合にたくさん絡んでた。そして厳しい朝練を楽しんでる。その勢いを絶やさず進み続けてほしいです。期待してます。
あ、ゼッツー絶やさないでくれ。
26へ
いつかは忘れた。でも一回だけ読みたい本があったから数少ないご飯に行かなかった記憶がある。そんな僕を受け入れてくれてありがとう。26は後輩みたいにお互いに依存することはなかった。でも足並みは意外と揃ってた気がする。僕にとっては人生で最初で最後の部活、お前たちとできて良かった。
引退ブログ第一弾、堅苦しい文章になってしまいましたが、読んでくださった皆さん、ありがとうございました。結論ファーストとか堅苦しい決まり事を全無視して書いたのでわかりにくかったかもしれません。次からはより深みのある、ユーモアに富んだブログが掲載されると思います。乞うご期待あれ。