【ID26 平松大和】ピッチの記憶 : 写真で語る3年間
26の代で副将を務めました平松大和です。26のみんなが素晴らしい文章を書いているのを見て僕もなにかかっこいいことを書きたかったのですが、考えれば考えるほど薄い文章になってしまうことが分かったので、この場を借りて、僕の成長記録を書かせていただきます。すでにICUFCを引退された先輩方はこれを見て、それぞれのFC人生を思い出して頂ければとても嬉しいです。27.28など後輩のみんなは、僕の昔の写真を見て、楽しんでくれたり、この先のFCでの活動を思い描くきっかけになればいいなと思います。そしてずっと僕の周りにいてくれた、26のみんなは「こんな時もあったなぁ」と思い出してくれればうれしいです。
さて、まず初めは僕がICUFCに入部した時の写真です。後輩のみんなは知らない人も多いかもしれないけど、僕はこの時アメフト部に入るかサッカー部に入るか、ものすごく悩んでいました。大学のキラキラ生活に憧れて、いい意味でチャラかったアメフト部がすごくかっこよく見えました。ですが、写真に移る24のM先輩をはじめ、多くの先輩が練習後のゼッツーや、自主練に誘ってくれて、この雰囲気が大好きになり入部を決めました。あの時優しく僕を迎え入れてくれ、たくさんかまってくれた先輩方、けいごくん(当時の監督)に心から感謝しています。
さて、お次は待ちに待ったデビュー戦。「これほんとにやまとくん?」と思う後輩もいるでしょう。1年生の頃は髪も茶色かったし、ちょんまげスタイルでサッカーをしていました。さて、1-10で迎えた後半残り20分、けいごくんに「たのむ、流れを変えてくれ」といわれ、僕と芦澤くん(26)がベンチに呼ばれました。なにかしてやりたいと思い試合に入りましたが、自分が何をしたのかあまり記憶にありません。ただ気がついたらボールが自分たちのゴールに入っていて、自分たちボールのキックオフをし続けていた事しか思い出せません。結局試合は1-13で終了。一生忘れることの無い、最高なデビュー戦を飾ることが出来ました。
そして1年生の時印象に残ったもうひと試合が奇しくも、前節で僕たちを1-13で叩きのめした成城大学でした。あのオレンジユニホームに苦手意識というより恐怖すら覚えていましたが、学祭当日言うこともあり、これまで見た事のない数のサポーターの方々が集まってくださっていました。総勢100名程の観客の皆さんの声援に囲まれて、ICUのエンブレムを背負ってプレーできたあの瞬間は本当に一生の宝物です。そして、あらたのど真ん中ドカ蹴りPKで同点に追いついたこの瞬間の熱狂と興奮は一生忘れられない体験となりました。しかし、試合は後半終了間際に僕のマッチアップであった選手に、カットインからありえないスーパーミドルを叩き込まれ1-2で負けてしまいました。あの時中を思いっきりきって、縦に行かせていたら、、と寝る前に何度も何度も思い出しました。あの時はすみませんでした。
お次は、2年生になり背番号も14→6へと変わり、昨季の悔しさを晴らすべく望んだ新シーズンでの1枚です。第1節を勝利で飾り、良い流れで迎えた第2節、東工大学戦。この試合もICUでの思い出を語るには欠かせません。この試合僕たちは、守備の要であったあらたくん(26)を怪我で欠いていました。そこでCBとして大抜擢されたのは数週間前までバドミントン部だったかずまくん(27)。僕とかずまくんが守る右サイドは、相手のエースによって完全に崩壊することになります。僕はこの日プレスに行けば簡単に剥がされ、ボールの落下地点を読むことも出来ず、ハイボールには目を切って対応するという、とんでもないプレーをしてしまいました。加えて、いつも僕のミスを完璧にカバーしてくれるあらたくんの姿は僕の背後になく、代わりに、明らかに戸惑いを隠せていない、元バドミントン部のかずまくんの姿がありました。そして試合後、普段声を荒らげることの無いけいごくんに、思いっきり怒られ、誰よりも早くグラウンドを後にし、一人で帰宅するという、ICUFCでの活動史上1番凹んだ瞬間となりました。
さて、2年生を振り返る上で欠かせない瞬間がもうひとつあります。25.26は今でもこの試合のせいで、眠れない夜を過ごしている人がいるのでは無いでしょうか。複数人からの要望により実現した25.26vs27のドリームマッチ。まだ入ってきたばかりの後輩たちに負けてはいけない、というより、負けるはずがないと思って望んだ1戦。試合はなんと1-2で逆転負け。試合後は恥ずかしさと、自分らに対する怒りで、後輩の27とは口をきくことが出来ませんでした。27のみんな、リベンジマッチいつか受け付けてくれませんか??
さて、次の写真は僕がICUFCに入って最も嬉しかった瞬間の1つを紹介します。先程僕がけちょんけちょんにされた東工大さんとの試合を紹介しましたが、この試合はその東工大さんとの2戦目。あの時の悔しさを晴らすことが出来る最高のチャンスでした。僕にとって因縁の相手ということもあり、この試合がある週は、毎日、12時前には就寝するようにし、学校の課題は後回しにし、全てをこの試合の為だけに捧げて準備をしてきました。そのおかげか、試合前から体が軽く、この日は絶対にいいプレーができる自信がありました。しかし、試合が始まってみると、前回僕のサイドを崩壊させた相手のエースとのマッチアップに、すごく力が入ってしまい、なかなか思うようなプレーが出来ませんでした。しかし、ここで、僕を救ってくれたのは、留学から帰ってきたばかりの24の先輩方でした。僕がプレーする右サイドが観客席側だったとこもあり、先輩方の応援や指示がとてもよく聞こえました。周りがあまり見えず、とりあえず前線にクリアをすることしかできていなかった僕に、「おちつけ、お前ならできる」、「自信を持って」と、ボールを持つことを促してくれました。更に、なんでもないプレーに対しても「サンキューやまと!」と鼓舞してくれたことにより、徐々に周りが見え、体も思いどうりに動くようになりました。その結果、前節ではボコボコにされた相手エースに大きな仕事をさせず、相手の攻撃を封じることが出来ました。後半には我らがエース、ガクくん(25)が得点を決め、1-0での勝利となりました。試合後に、観客席の先輩方を含めチーム全員で喜びを分かちあった瞬間は本当に最高の経験でした。試合後にはこの試合のMOMにも選んでもらい、リベンジを果たせたことが本当にうれしかったです。
さて、僕も3年生になり、副キャプテンとなりました。背番号も6→2へと変わりました。さらにこの年は、ICUFCにとって大きな変化を経験する年でもありました。前監督のけいごくんに変わり、有元教授がFCの指揮をとってくださることとなりました。これまで自分が当たり前だと思ってきたサッカーに対する考え方と180°違う、サッカー観を教えて頂き、まずは今までのサッカー観から抜け出すことが求められました。有本先生が何よりも大切にしたのは「繋がり」。自分の横の味方、縦の味方との関係を常に意識し、彼らとつながりを常に保ったままサッカーをするというものでした。この考えを教わったことでこれまで以上に自分の近くのポジションの選手と会話が増え、更に、これまであくまで相手を見て守備をしていたけれど、味方が次にどこに動こうとするのか、今何を考えているのかを予測して、それに合わせた動きが出来るようになりました。サッカーの守備がより楽しくなった瞬間でした。でも有元先生が来てから最初の数ヶ月はCBとして起用され、早くサイドバックに行きたい気持ちもありました。でもきっとそれは今までFWだったのに右サイドバックにさせられてしまったカントくん(27)も同じ気持ちだったと思います。
さて残す写真もあと2枚となりました。少し長くなってしまっていますが、どうぞ最後までお楽しみください。次の1枚は、3年生にして初ゴールを決めた時の1枚です。この試合は中盤で起用されていましたが、足元の技術がない自分はとにかく運動量でチームに貢献しようと思っていました。得点シーンもその意識が功を奏し、右サイドバックのかずまくん(27)がボールを持った時に、ペナルティーエリアに向かって猛ダッシュしたら、なんとそこにピンポイントクロスが送られてきました。プロ風に言うならあれは本当に「あとは、当てるだけでした」という感じでした。ゴールを決めた瞬間にチームのみんなが駆け寄ってくれて、試合後には「お前ついに決めたか!」って半分煽りながら、みんなが祝ってくれて本当に幸せでした。みんなありがとう。
さて、ラストの1枚です。留学に行く前最後の試合の写真ですが、ここではみんなへの感謝を述べて、締めくくりたいと思います。これまでFCで関わってくださった全ての方々にありがとうございましたと言いたいです。僕を優しく迎え入れて、大きく成長させて下さった先輩方、サッカーで「熱狂」することの楽しさを教えてくれたけいごくん。りおくん、まさきくん、荒木さんを初めとするコーチのみなさん、僕の大学生活の中心だった26のみんな、普段は可愛いのに試合では本当に頼りになる27.28の後輩たち、僕たちに新たな視点を授けて下さった有元先生、そしてどんな時でも僕らを支えて、癒しをくれたマネージャーさん達。本当にたくさんの人に囲まれて、成長させてもらいました。留学から帰ったら復帰することはもう確定しているので、その時はぜひよろしくお願いします。