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2027年度卒引退ブログ

2025/12/27 2025/12/27

【ID27 三原 陸翔】感謝を越えた気持ち

平素よりお世話になっております。三原陸翔と申します。おそらく27で唯一のゴールキーパーを務めていました。自分のことを話すのはあまり得意ではないのですが、せっかく機会をいただけているので書いてみようと思います。今まで話せていないことを書いたつもりなので、少し暗めかもしれないです。

長く拙い文章ではありますが、時間がある人は最後まで読んでいただけると嬉しいです。

まずは、自分をICUFCの一員にさせてくれて、ありがとうございました。2年半の活動を通して、さまざまな感情を経験しました。楽しい感情ばかりではなく、ネガティブな感情を抱いたりサッカーをやめたくなったことは何回もあります。むしろそっちのほうが多かったかもしれません。しかし、FCに入ってよかったという思いが揺らいだことはおそらくありません。それは、自分という存在を受け入れて支えてくれた、FCに関わるすべての方々のおかげでした。

高校からちゃんと始めたゴールキーパー。強豪校ではないしプレーに自信はなかったけど、するのも見るのも好きなサッカーを、大学でも何かしらのかたちで続けたいと漠然と考えていました。

大学入学後、サッカー部があることを知りましたが、部活というレベルについていけるのか、朝練しながら勉強も両立できるのか、いろんな不安があって上手く前に踏み切ることができませんでした。

そんな中でも、入学式で話したかいと、セクメのけんとともえか、(1年の春学期は)がっきでウェルカムな雰囲気を作ってくれてた27、授業や練習体験で優しく接して下さった先輩方など、たくさんの方々がきっかけを作ってくれました。

そして、5月下旬という遅い時期にはなりましたが、入部を決めることができました。
改めて、温かく迎え入れてくれて、ありがとうございました。

入部してから、入部前に抱いていた不安がなくなった訳ではありませんでした。周りのプレーヤーと差を感じたことや、ミスをして味方にぶち切れられたことは数えきれないほどありました。朝5時には起きて朝練をして1限にギリ遅刻するぐらいで向かう日常も、しんどいときもあったし最後まで慣れることはできませんでした。

でも、人工芝で一つ一つのプレーが痛くないし、恵まれた環境の中でサッカーができたことがうれしかったです。

FCに入って、たくさんの人と出会うことができました。

高校ではほとんどサッカーをやるだけでしたが、大学ではチームや試合の運営などを学生主体でやっていく中で、部内外さまざまな場面で人とのつながりをより強く感じることができました。子どもたちにサッカーを教えたり、留学生とも交流を深められたり、サッカーでつながるってこういうことなのか、と実感できたような気がします。

正直なところ、人間関係って難しいな、と感じることは時折ありました。元々自分は人との距離を縮めることがあまり得意ではなく、その上周りの27より入部することが遅かったこともあり、チームに上手く馴染めていないように感じていました。時間が経っても、すべての時間を楽しめていた訳ではなかったと思います。

そんな中でも、たくさんの人に受け入れて支えてもらったおかげで今の自分がいます。いろんなことが積み重なって心が折れそうになったこともあったけど、ピッチ内外で自分としっかり向き合って支えてくれるような周りのみんなに何回も助けられました。人にもたくさん恵まれた、そんな2年半でした。

少し話はそれますが、様々なチャレンジの機会を受け入れてくださったことにも感謝をしています。自分はFCの他に、サービスラーニングとICU祭実行委員会という2つの活動を行うことができました。両方とも周囲にあまり相談せずに参加を決めており、特にICU祭とFCの両立していた先輩はおらず、今考えると思い切った決断だったと思います。

練習に参加できない期間やFCの仕事の優先度が下がってしまう時期がありましたが、それらを受け入れてくれてありがとうございました。全ての活動を最後までやりきることができたのは、自分のチャレンジに理解を示し応援してくれた周囲のおかげだと感じています。

それぞれの活動で貴重な経験と素晴らしい出会いがあり、FC・サービスラーニング・ICU祭が今の自分を支える大きな3つの軸となっています。

もしICU祭でこれを読んでくれてる方がいれば、改めて感謝の気持ちを伝えさせて下さい。2年連続でほぼ当日という日程で仕事に穴を空けてしまい、たくさんの迷惑をかけてしまったと思います。それでも、嫌な顔を一切せずに応援とともに公式戦へと送り出して、試合が終われば温かく迎え入れてくれてありがとうございました。

引退を迎えるにあたって、やりきった達成感とともに、心の中に消化しきれずに残っているものがあります。それは、公式戦に1度も出場することができなかった、という事実です。

「試合頑張ってね」「いつか見にいってみたい」と応援してもらっても、試合に絡めていない自分がいる。

プレーヤーとして、チームの勝利に貢献できていないような気がする。副キャプテンなのに、プレーでチームを引っ張ることができていないように感じる。

言葉に出したことはありませんでしたが、複雑な気持ちを抱えていたことは確かです。しかし、一言で言ってしまえば、自分の努力不足が原因だと思います。

1年生の夏の終わりにあった工学院戦。この試合はいろんな意味で印象に残っています。チームは順位が上だった工学院に対して1-0で勝利を上げました。この試合でボールパーソンをしていた自分は、ICUベンチの近くに座っていました。たろうが先制点を決めたとき、試合終了の笛が鳴ったとき、確かにうれしさはありました。

しかし、ベンチメンバーではない自分は目の前で喜ぶ輪に入ることができず、同時に「自分は何もやっていないな」と無力感を覚え、素直に喜ぶことができませんでした。

試合終了が近づくと、アップエリアではそうだい君が試合に出れなかった苛立ちからスパイクを地面に叩きつけていました(間違ってたらごめんなさい)。ボールパーソンであった自分も、そのくらいの気持ちは感じていました。このような悔しさもあって、必ず良いプレーをすると意気込んでいた公式戦後の練習試合。その気持ちとは裏腹に、プレーは全く上手くいかず、全てが空回りをしていました。

そんな情けない自分にイライラが募り、更衣室で励ましの声を頂いた途端、涙を流してしまいました。これは、自分がFCで涙を流したおそらく最初で最後の瞬間だったと思います。この感情を忘れずに、後悔しないように頑張ろうと改めて感じた瞬間でした。

しかし、この感情が最後まで続いた訳ではありませんでした。公式戦でベンチに入れなかったり、練習中の紅白戦でBチームからも外れたり、練習試合で自分のプレーやチームの結果がよくなかったりする度に悔しさは感じていました。けれど、いつからか自分が出て勝利に貢献したいという思いは持ちながらも、チームが勝ったとき、誰かがゴールを決めたとき、キーパー陣が活躍したときなど、それぞれの瞬間で悔しさよりも喜びの気持ちのほうが強くなっていきました。良かったのか悪かったのかはいまいち分かりません。

チーム全体を見れるようになったと言えば聞こえはいいけど、自分に対する甘さや諦めなど良くない感情が出たのだと思います。全員の気持ちを背負ってFCを代表してプレーしていた選手には尊敬の気持ちしかありません。

もし後輩でこれを読んでくれている人がいたら、自分の努力について今一度考えてみてほしいです。もう既にたくさん努力している自信がある人もいると思いますが、自分と同じような気持ちを抱えて引退してほしくないので伝えています。

自分の話をすると、入部当初に比べてロングボールは多少距離を伸ばせたと思うし、クロス対応も向上できたと思うし、少し遠くのシュートにも届くようになったと思います。これは荒木さんやキーパー陣、イングランド式など含めて練習後に時間を割いてくれた人、映像を撮って自分のプレーを客観視させてくれたマネージャーなど、たくさんの支えのおかげです。

ただ、今振り返ってみると、自分の努力に自信を持つことはあまりできず、もっとできたことがたくさんあったと思います。1回1回の練習の手を抜いたわけではないけれど、もっと目標意識を持って毎回の練習でチャレンジできたことはあったと思うし、練習外の時間をプレー向上のためにもっと割くことができたと思います。なにより、試合に出れなかったことを気にしている一方で、それを実現するための努力のプロセスが曖昧だったと思います。

たくさん時間があるように感じていても、引退はすぐに来ます。引退までの練習をすべてプレーの向上に充てられるとは限りません。ケガなどによって運動できない時期が来たり、プレーすることが精一杯という時期もあるかもしれません。努力の仕方はたくさんあると思います。自分の限界を作らずに、自分の努力に自信を持てるまでたくさんチャレンジして、後悔のない時間を過ごしてください。

ここからは、まとめてになりますが感謝の気持ちを書かせていただきます。
すべての方に言及できてはいませんが、「自分のことかも」と気軽に受け取っていただけると嬉しいです。

先輩方へ

プレーでも仕事でもプライベートでも、たくさん学ばせていただき、支えていただき、可愛がっていただきありがとうございました。FCに入ってよかったと思えているのは、プレー中に勝利にこだわる姿勢とピッチ外では仲良く温かい雰囲気を作りだしていた先輩方のおかげです。

引退してからも応援に来てくださりありがとうございました。もう一緒にプレーすることがないと思うと寂しいですが、これからもたくさんお世話になるつもりなので、よろしくお願いします。

 

後輩へ

この1年間、不満を抱えることもあったと思うけど、27を支えてくれて最後まで一緒に戦ってくれてありがとう。みんなからもたくさん刺激を受けて、ピッチ内では学年関係なく本気でぶつかりあえて嬉しかったです。

チームとして上を目指していくなかで、必ずしんどい時期はあるし上手くいかないこともあると思います。でも、周りのみんなは大切な仲間だということを忘れないでほしいです。ぶつかり合いながらもがんばってね。何かあったら自分でよければ相談のります。

 

マネージャーへ

いつもFCのためにたくさんサポートしてくれてありがとうございました。どんなに朝早くても、どんなに天候が悪くても、ピッチでサッカーに集中できる環境を整えてくれたこと、感謝しかないです。

練習でも試合でもイベントでも、みんなの思い出を支えてくれていたのは、マネージャーのみんなのおかげです。FCの中ではどうしてもプレーヤーを支えるマネージャーという構図が多いと思うけど、その分たくさん支えてもらってください。

 

コーチ・スタッフ・OBOGなどとして関わって下さった社会人や保護者の皆様

大学生というまだまだ未熟な立場としてご迷惑をおかけすることも多くあったと思いますが、様々な場面で支えていただきありがとうございました。

皆様の支えのおかげで、日々練習を行い、チームや個人の力を高め、毎週末の公式戦を戦い抜くことができました。

2月に開催されたOBOG会では、初めて多くのOBOGの方々と接する機会の中で、自分たちはこんなにも多くの支えをいただけているのだと実感することができました。

代が変わっても戦いは続いて参りますので、引き続きご支援いただけますと幸いです。

 

キーパー陣へ

先輩・後輩、荒木さん坂本さんのおかげで、温かくそして高めあえるような環境で過ごせました。

キーパーというポジション柄、成功よりも失敗が目立ちやすく、自分の良いところよりも悪いところを気にしてしまう性格と相まって、うまくいかなかったプレーに意識が取られてしまうことが多かったです。そんなときに、先輩後輩関係なくキーパー陣が励ましてくれたおかげで、たくさん救われました。

練習前にマーカーやコーンを準備したときも、成功率が低すぎたリフティングも、ゴール前で入水するフロントダイブ日和のときも、今となっては思い出です。

また気が向いたら顔出すので相手してください。

 

学連へ

一緒に頑張ってくれてありがとう。試合内容の前に、無事に毎試合終えられるかというところでプレッシャーは結構感じていたけど、できすぎるみんなのおかげでやり抜けました。

仕事お願いするのがギリギリになったり、上手く振れなかったことは申し訳ないです。

28はこれからが本番で、その背中を見て29は徐々に学連の仕事を把握していくと思うけど、自分たちで全部抱えこもうとせずにたくさん27を頼ってね。

27へ

かしこまって書くのは難しいけど、言葉にできないくらいの感謝の気持ちであふれています。

他の代がどうとかという話ではなくて、27でよかったと思うことは何回もありました。1人1人がおもしろくて、魅力的で、尊敬できる存在でした。みんなの輪に入って話を聞いて笑えるだけで楽しかったです。

高校はほぼ勉強しかしてこなかった自分を、みんながいろんなところに連れて行ってくれたように感じてます。みんなからたくさんもらいすぎました。

また全員で集まれる日を楽しみにしてます。卒業旅行はマダガスカルに一票お願いします。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
改めて、自分を支えて下さった全ての方々に感謝申し上げます。とても幸せな2年半でした。
引き続きICUFCの応援をよろしくお願いいたします。


国際基督教大学 三原陸翔