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2027年度卒引退ブログ

2025/12/22 2025/12/22

【ID27 廣瀬 美月】酸っぱい香りの青春

ID27マネージャーの廣瀬美月(ひろせみづき)です。

体験に行った次の日に入部してから引退まで、楽しすぎて一瞬だったと言うと嘘になりますが、いざ引退してみるとあっという間でした。マネージャーの中で誰が一番マネージャーに向いていなかったかと聞かれると、間違いなく人のお世話をするのは嫌いなのに、お世話をされるのは好きだった私だと思います。でもこの3年間でサポートする側も悪くない、むしろ良いと思えるようになりました。

綺麗事だけでは語れませんが、私の素直な気持ちを自由にランキング形式で書いてみようと思います。


「私的、感動・歓喜したランキング ベスト3」

3位 2025年4月27日、日本文化戦
前の年に後半83分で点を決め、劇的勝利を収めて以来2回目の日本文化戦でした。運営学生リーダーとして本部にいた私は、その日の90分間はずっとドキドキしていました。アディショナルタイムの中で選手たちが粘り、開始95分で太郎が決めたシュート。太郎はイエローをもらっていましたが、それと同時に勝てたことの安心で涙が出ました。訳あって、感動して5秒ほどで現実に引き戻されましたが、それもいい思い出です。


2位 2024年11月3日の東京カップ、上智大戦
正直どの試合も毎回ドキドキしていたので、選ぶのが難しかったですが、2位は間違いなく幹部になったばかりの時の東京カップ1回戦目でした。結論、勝ちました。そしてその日の朝、起きた瞬間、今日は勝てる、しかも結構粘ってPKで勝つんじゃないかと直感で感じていました。ここだけの話、毎試合、当日の朝起きた瞬間に今日の試合はこうなりそうと直感で感じていました。3年間、結構な打率でした。

その日はベンチにいましたが、後半30分ぐらいから、絶対にこのまま守って、耐えて欲しいとずっと祈ってました。無失点無得点のままホイッスルが鳴った時は、安心と不安が混じっていました。PKの練習で何度もボールをゴール裏にかっ飛ばし、走り回されていた記憶があったからです。でも、これまでいっぱい拾ってきた分、今日は何が何でも全員ゴールの中に入れて欲しいと心から願ってました。自分の番が近づくたびに、顔が強張る選手の顔は今でもはっきり覚えてます。「ここで決めたら勝ち」というところまで持ち込み、ラスト7人目のキッカーで終わりのホイッスルが鳴った時は、本当に感動しました。部員だけでなく、応援席にいた人たちも皆が飛び上がって、喜んでいる姿をみた時、やっぱりICUFCのマネージャーで良かったと心から感じました。素敵な光景を見せてくれて、ありがとうございました。


1位 泣かないはずだった引退の日
そして1位は間違いなく引退の日です。前日に、同期のマネージャーと絶対に泣かないと思うと自信満々に言っていたにも関わらず、案の定泣きました。最後の試合が終わり、やっぱり泣かないと思っていた矢先、後輩マネージャーが色紙と愛溢れるオリジナルTシャツを着て、サプライズしてくれた時は一瞬で涙が込み上げました。

その瞬間、これまでの3年間が一気に頭の中を駆け巡りました。練習がうまく回らなかった日、試合前にバタバタしながらも何とか間に合わせたこと、勝った試合も、悔しかった日も、正直しんどかったことの方が多かったはずなのに、不思議と残っているのは温かい記憶ばかりでした。後輩マネージャーのみんながここまで準備してくれていたこと、私のことをこんなにも想ってくれていたことが何より嬉しくて、「マネージャーをやりきって良かった」と心から思えた瞬間でした。自分はこんなにも周りに支えられていたことを感じ、本当に幸せでした。

部員全員からの色紙も感動しました。少々突っ込みたくなることは多かったですが。皆さん、第一印象に「正直怖かったです」と書きすぎて、ここまで一致するものかと逆に感心しました。それでも、最後には「今では話しやすい」と書いてくれていて、ちゃんと関係を築けていたんだなと感じられて嬉しかったです。これらが、3年間で唯一私がフィールドで泣いた3つです。


楽しかった思い出だけでは、私の3年間は完成しないので、ここでひとつおまけとして。「心の中で実はちょっとだけ嫌だったことランキング」をやってみます。あくまで愛を込めて、です。


「心の中で実はちょっとだけ嫌だったことランキング ベスト3」

3位 試合前の即席裁縫タイム
サッカーで裁縫?って思う方もいると思いますが、裁縫があるんです。試合直前にユニフォームに問題がある、登録した番号が違うなど、急遽張り番を作らないといけないことが4度ほどありました。布も裁縫セットもない中、布ではなくガーゼで代用してみたりと、何度も指に刺さる針に一人でブツブツ文句を言いながら、愛を込めて、風のような早さで縫っていました。家庭科の授業がまさかこんなところで役に立つとは思いもしていませんでした。


2位 真夏の水
真夏のグラウンドはとても暑いです。夏は水がすぐ温くなってしまい、一瞬で無くなるので、ボールを拾うことよりも水を補充、配る時間の方が長いです。配りながら、「いや、私が今一番水を飲みたいんだけど」とか思ったり、思ってなかったり。それでも誰かが「ありがとう」と言ってくれたり、無言で受け取った後に小さく会釈してくれたりするだけで、不思議とまた頑張れてしまうから単純です。真夏のグラウンドで流した汗も、たくさん運んだ水も、全部含めて、ICUFCで過ごした時間すべてが青春でした。


1位 真夏のビブス回収
これは共感してくれるマネージャーさんが多いんじゃないかと思います。正直、入部したころは、水につけたのかというくらいびしょびしょに濡れたビブスを回収しなければいけないのか、と内心思っていました。はっきり言うと、少し潔癖な私はかなり苦手でした。でも不思議なことに、その酸っぱい匂いも、3年という月日が経つと、どこかクセになってしまって、汗か水なのか、びしょびしょになったビブスも鷲掴みできるようになります。(その後はちゃんと石鹸で手を洗います)

苦手だったものが、気づけば当たり前になって、当たり前がいつの間にか大切なものになって、大切なものがなくてはならないものになっていく。この3年間は、そんな変化の連続だった気がします。

小さな変化の積み重ねが間違いなく私の青春で、引退した今、その全てを手放すのが寂しいと感じるほど、ICUFCは今の私がいる理由です。マネージャーだから、ではなく、ICUFCの仲間として受け入れてもらえる温かい場所。だからこそ、一度も裏方の仕事だと感じることなく、ICUFCの一員でいられる時間が、ただただ誇らしかったです。

同期として出会えた三人のマネージャーの存在には、最後まで支えられてきました。そして、ICUFCで出会った仲間が今の私にとってかけがえのない宝物です。

28・29のみんな
初めは怖い先輩だったかもしれないけど、仲良く話してくれた時間がすごく楽しかったです。今伝えたいことは、写真をいっぱい撮ってもらってくださいということです。特にマネージャーの皆んな、私も写真を撮られるのが嫌でカメラを自ら持っていたほどだったけど、引退ブログを書いている今、写真が無くてほんっとうに困っています。今のうちに良いカメラで、可愛い写真をいっぱい撮ってもらってください。時間が経った時に、きっとかけがえのない思い出になります。

そして、2部、1部昇格は決して容易なことじゃないと思うけど、みんななら絶対に叶えられる目標だと信じてるので、時にはぶつかりながらも、仲良く、ICUFCの良さを忘れずに頑張ってほしいです。一足先に引退したけど、その時は必ず応援席で見届けさせてください。

最後になりましたが、日頃よりICUFCに多大なるご支援をいただいている、保護者の皆様、OBOG会の皆様、そして応援してくださるすべての皆様に、心より感謝申し上げます。今後とも、ICUFCを温かく見守っていただければ幸いです。

長くなりましたが、最後までご拝読いただきありがとうございました。

国際基督教大学 男子サッカー部マネージャー
廣瀬 美月