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2025年度卒

2024/06/03 2024/06/03

【ID25 林崎 正龍】ゴールを運ぶ

この引退ブログをわざわざお読みにいただいてありがとうございます(汗
どうも林﨑正龍です。
何を書いていいのか分からなかったのですが、何とか絞り出そうと頑張りました。
なので、今回はICUサッカー部が練習を始める前に必ず行う儀式について少し書こうと思います。

その儀式とは「ゴールを運ぶ」ことです。
ICUのフィールドにはサッカーゴールが設置されておらず、練習前に必ずゴールをフィールドの両端に人力で設置する必要があります。
一見何の問題もないのですが、ゴールを運ぶ事は意外と辛かったです。
まず重いです。最低4人が必要とされ、それぞれゴールの四角を持ち運ぶ必要があります。4人で運ぶには明らかにキツイので人数を増やそうと思うと、今度は意思疎通が取れなくなり余計重くなったりします。練習前から疲労困憊です。
次にサボってしまう事です。私の罪を告白してしまうと、実は何回かゴールを運ぶ時に手をポストに添えてるだけの時が多かったです。ごめんなさい。重そうにしている演技をしていました。私みたいな運び屋がいると他のみんなの負担が大きくなるのでしっかり力は入れましょう。
最後に1年中辛い事です。

「秋」
新チームが始まって人数が少ない中ゴールを運んだ、明らかに1人への負担が大きすぎる。一番重い時期

「冬」
手がかじかんでしまい、ゴールポストを触ると冷た過ぎて涙が出てきそうになった。一番寒い時期

「春」
新しい葉が芽吹き始め、枝がゴールネットに引っかかり、運んだ時に鞭のように飛んできた。一番危ない時期。

「夏」
サウナのような暑さのなか手汗が滲み出てきてゴールポストを掴もうとすると滑り落ちてしまう。一番だるい時期。

そして最後にゴールを運ぶ日が来る
「ゴール運ぼう!」
誰かの元気な掛け声が今日もかかる。
いつものように駆け足で人数が少ない側のポストへ向かった。
引退する日に限ってみんなが積極的にゴールを運びにきていて、我々は俗に言うピクミン状態になっていた。
こんなゴールが軽い日はなかなか来ないだろうと内心思い、これだったら毎日運んでも辛くなかったかもしれないと、今まで運んだゴールの数々が脳裏をよぎった。明らかにゴール両側の人数が不均衡な日もあった、スパイクの靴紐を結ぶふりをして運ぶのをサボった日もあった、「せーの」って合図を入れたのに誰もゴールを持ち上げなかった日もあった。
こんなゴールを私たちは死ぬ気で守ったり、攻めたりしていた。短い間だったが本当にこのゴールにはお世話になった気がする。ゴールを置いた瞬間初めてサッカーフィールドが完成するし、みんなが運んだゴールは練習が始まる合図でもあり、日々のサッカーが始まる瞬間だったのかもしれない。
そんなことを考えながら、最後ぐらい腕に力を多めに入れてみんなに楽をさせようとも思ったが。やっぱり手は添えただけだった。
サッカー部の皆さん、こんな私と一緒にゴール運んでくれてありがとうございました。