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2025年度卒

2024/06/03 2024/06/03

【ID25 庄子 友希】理想を追い求めた先にあるもの

「理想」(※考えうる最も完全なもの)と「現実」(※現に実際こうであるという状態・事実)、二つの対義した言葉が存在する。僕は、きっとICUFCで過ごす前は、後者を好み、現実の中だけで生きていたと思う。

そうなった理由は、サッカーばかりしていた中高において、スポーツ特有の理不尽な現実に多く直面してきたからだと思う。人より努力しても試合に出れない仲間も見てきたし、実際自分なんかも、努力しても到底敵わないような仲間や先輩・後輩が沢山いたのも事実としてありました。結局、高校最後の選手権は、準決勝で優勝候補に負け、「やっぱり現実ってこうだよな」って考えることが多かった。

晴れて大学生になり、社会問題に取り組む系サークルに入ろうと意気込んでいたが、縁もあり、気付いたら週5で練習するサッカー部(ICUFC)に入っていた。

入部した当時のICUFCの目標は、「創部史上初の2部昇格」である。目標達成のために、監督や先輩方は常に「全員が組織(チーム)の為に、一人ひとりがリーダーとして振る舞う」ことを要求し、組織カルチャーとして大切にしているように感じた。

正直最初、そのカルチャーを実践することも、それが大きい結果をもたらすことも、僕にとって綺麗事であり「理想」でしかないと感じていた。

だって、チームの中で試合に出れるのは11人で、そのカルチャーを実践したところで、当然試合にもベンチにも入れない選手だっているのは事実だと思ったからである。それでも、全員一人ひとりが組織のためにリーダーとして振る舞うという事は、必ず相当の自己犠牲を払う必要だし、ましてやそれが組織の結果に繋がるとも思えなかった。結局はスポーツにおいて実力が全てだと思っていた。

しかし、その代に「創部史上初の2部昇格」を成し遂げた。人生で初めて嬉し泣きをした。それはきっと、一緒に練習していく中で先輩達が払っていきた自己犠牲をみていたからかもしれない。自分達の現実を客観視し、向き合っていた先輩の姿を見てきたからかもしれない。一つ確かなことは、その時・その瞬間に、自分の「理想」が「現実」に変わったのを目の当たりにしたことである。それが自分の中で最も嬉しく、感動的だった。

時間が流れ、大学3年生になった。ありがたいことに、自分がチームに必要だと思ったことを実践させてくれる機会が多かった。「1部昇格」と言う新たな目標を目指し、チームに多くの負荷をかけた。皆に助けられながら、夜中に試合の分析会や1on1でチームや自分自身について多く考えさせる機会を作った。
結論、目標は達成できなかった。シーズンを通じて上手くいかなかったことの方が多かった。どれだけ皆でモチベーション高くやって準備しても、自己犠牲を払っても勝てなかった。1-8というスコアで負けた試合もある。後輩が試合に負けて落ち込んでいたり、泣いていたりする姿を見る度、申し訳なさと自分の能力の至らなさを感じた。本当に申し訳ないと思っている。
それでも、シーズン前まで公式戦に出たことがない選手がほとんどの中で、リーグ戦の総勝ち点は去年の2倍近く獲得できたし、今年の積み上げで、来年の後輩達はきっと更にICUFCを上のステージ連れてってくれると確信している。
確かに、「1部昇格」という目標は、側から見たら理想であり、ICUFCにとって無理難題であったのは間違いない。
それでも、理想を追い求めた先にあったのは大きな可能性である。
理想を目指し、その中で厳しい現実を知り、向き合い、組織全体で努力することで、間違いなく僕達が描く「理想」を「現実」にする大きな可能性を見出してくれる。
これが、3年間のICUFCで学んだことである。

これから先、他者に笑われても自分の理想を語り、追い求め、その分必要な現実に真摯に向き合い、努力していきたい。そしていつか、自分の思い描く「理想」を「現実」にしたいし、出来ると思っている。
それが最も素晴らしく、感動的であると思うから。

最後に

本当に今までありがとうございました。関わってくれた監督や先輩方、同期達に感謝したいです。あの時、厳しく叱ってくれたこと、向き合ってくれたこと、期待をしてくれたこと、頼ってくれたこと、本当に感謝しています。積極的に片付けを行う姿、自主練する姿、試合に出れなくともチームのために泥臭く行動する姿、全ての先輩の姿が自分のお手本であり、なりたい姿でした。25の代で、サッカーが出来たことが、自分の人生の財産です。

最後まで読んで頂き、ありがとがとうございました。こんな素晴らしいICUFCがずっと続くことを願っています。

庄子友希